驚きの低価格で注目を集める、中国発のショッピングアプリ
アリエクスプレス・テム・シーインなど中国発ECが、積極的なマーケティングを実施し、一日に数百件も関連記事がネット上で見られています。中国発ECが様々な商品と低価格、そして、アプリの使いやすさを前面に押し出し、市場シェアを高めています。最近、これらのアプリの利用者の急増に伴い、アマゾンのシェアを奪っています。
特に、中国ECプラットフォームで、販売されている低価格商品と競争する、小規模ECサイトはさらに売上が低迷しています。ネットショッピングを楽しむ若者にとっては、安価で品質もそこそこ良い中国発ECに魅力を感じます。中国から仕入れた安価の商品を販売している国内のEC事業者は、競争力を失い危機に陥ると考えられます。そのため、EC事業者は中競争で勝ち抜くために、自社ECならではの販売戦略でリテンション率を上げる必要があります。
国内市場において、中国発ECの参入は危機かチャンスか
中国発ECプラットフォームの登場は、国内のプラットフォーム事業者においてチャンスになる可能性もあります。出店するとプラットフォーム内の数多くのユーザーを対象に、自社商品を販売できます。また、国内のECプラットフォームに比べて、手数料など出店にかかる諸費用が安いです。
しかし結局のところ、プラットフォーム内で数多くのセラーと競争しないといけないです。また、売上の一部を手数料として支払い毎月EC運営にかかる諸経費や広告費などを考えたら、なかなか利益を出しづらいとも言えます。
長期的な観点から見ると、競争優位を築くためには、ブランド力を高め価格以外の面で差別化を図るのが有効です。つまり、差別化戦略です。商品・サービスに価格以外のストロングポイントがあれば、価格競争に付き合う必要はありません。ECモールに出店することはあくまでも販売「手段」であって「目的」ではありません。適切な販売戦略を立ててから、「手段」としてECモールを選び、販売を開始すると良いでしょう。
ブランド力強化とブランドストーリーの構築
競合他社と差別化できるネットショップを運営するためには、自社が掲げるコンセプトを明確にして、消費者から共感してもらえることが大切です。また、ブランドの誕生ストーリーや価値観、ビジョンなどをSNSに積極的に発信して、お客様とコミュニケーションを取ることが重要です。
共感を生み出すブランドストーリーは、お客様の行動を導くことができます。SNS発信を通じて、お客様とのつながりを構築することができます。定期的にユーザーの関心を引くコンテンツを発信することで、顧客のロイヤリティを高めブランドブランドポジショニングを確立させます。
オンラインとオフラインの融合戦略
オンラインとオフラインを結びつけるマーケティングの取り組みは、これまでにも積極的に行われてきました。オンライン・オフラインそれぞれのメリットを結びつけて、差別化されたサービスを提供することです。オンラインで様々な商品情報を提供し、実店舗で商品を直接体験して購入できる物理的な空間を提供すれば、顧客体験を向上させることができます。
また、SNSでクーポンを配布して実店舗に誘導する、あるいは反対に実店舗でチラシを配布してECサイトに導くといった取り組みは、すでに多くの小売等の現場で実施されています。また、融合戦略を実施すると、オンライン・オフラインの在庫情報をリアルタイムで管理できるので、売上アップだけではなく在庫管理も効率的に行えます。このように、オンラインとオフラインを結びつけることで相乗効果が生まれます。
中国発の超低価格に対応するためには、ブランドの特徴に合わせた独自の戦略を立てる!
ニッチ戦略、ブランド力の強化、オンラインとオフラインの融合戦略など以外にも、中国発ECに対応するための戦略は多いです。その中で、適切に対応するためには、ECモールと企業の特性に合わせて戦略を立てることが有効だと言えます。