ユーザーの滞在時間の向上のために、Eコマース企業はどのような努力をしているか
「激安」を武器に急成長を成し遂げている、中国の越境ECアリエクスプレスのトップページには、商品とともにユーザーがプレイできる様々なミニゲームがあります。代表的なものとして、ファンタスティックファーム、ゴーゴーマッチなどがあります。
アリエクスプレスアプリでプレイできるゲームは、目標達成やレベルアップをすることでリワードを受け取ることができます。ファンタスティックファームの場合、作物を育てるミニゲームです。作物を育て、それを収穫することでユーザーがコインを獲得する…という内容になっています。アプリ内で簡単にユーザーが簡単に操作することで、作物は育ちます。アリエクスプレスは、アプリにゲーム要素を応用することで、利用者の意欲の向上やロイヤリティーの強化を図っています。このような戦略の背景には、アプリの滞在時間とコンバージョン率の向上という重要な目標があります。
なぜ、Eコマース企業は滞在時間に注目するか
理由1:ブランド認知度向上を通じた競争優位の確保
アプリ内のゲーム、コミュニティの活性化、コンテンツ提供などはユーザーにブランド認知度を向上させ、ブランドイメージを構築することに有効です。このように、ユーザーを新しいサービスに誘導して、アプリの滞在時間が増えたら競合他社より市場で優位に立つことができます。
理由2:広告収入の増加
滞在時間が増えるとそれに比例して広告収入が増加します。ユーザーがアプリに長く滞在すると、広告を頻繁に表示させることで広告収入を増やすことができます。アプリの使用時間が増えるほど、ターゲット広告が効果的であるほど、広告主はその媒体にもっと広告費を増やすことにつながります。様々な広告掲載枠を設けているEコマース企業は、滞在時間を根拠に広告単価を上げて利益を増やしています。
理由3:収集されたデータを活用して、マーケティング戦略を立てる
ユーザーが長くアプリに滞在すると、滞在する間にどのようなカテゴリーをクリックしていたたか、どのような商品に目を留めていたかなど、ユーザーの行動や好みに関連したデータを収集できます。こうすることで、ユーザーがアプリを利用する度に、最適な商品のおすすめや紹介ができ、精度の高いマーケティング施策を行うことができます。
滞在時間を伸ばすために、今すぐできること3選
1.クチコミを活用
お客様のクチコミ、画像、テキストなどお客様が自発的に作成したコンテンツを積極的に活用して、コミュニティーを形成します。これはユーザーの行動を誘導し、信頼関係を築いて滞在時間を増やします。
2.交流の場を設ける
クイズ、アンケート調査、交流できるコンテンツを通じてユーザーの行動を誘導します。こうすることで、ユーザーに楽しさを提供し、ブランドと交流を深めます。
3.コラボ企画、ライブストリーミングなどのイベントを開催する
リアルタイムで、販売やライブストリーミングを通じてユーザーの興味や関心を引き出します。これはユーザーの積極的な参加を促して、顧客満足度を向上し結果的にユーザーの滞在時間が長くなります。
滞在時間?購買体験?結局、顧客満足度を上げる施策が必要
E コマース企業はアプリ内にゲーム、コミュニティ、カスタマイズされたコンテンツなど以外にも、ソーシャルコマース、オムニチャネル戦略など滞在時間を伸ばすための様々な手法があります。
しかし、一部のユーザーからは「アプリが使いにくい」といったネガティブな意見もあります。アプリの機能があまりにも多くて、本来のショッピング機能が使いづらいということです。
ECプラットフォームビジネスで重要なのは、効率性とシンプルさ
滞在時間を延ばすために、新しいサービスをリリースしても何よりも優先的に考慮すべき名物は、ユーザーの購買体験です。質の高い購買体験を提供し、自社のブランド価値を高めるための取り組みが必要不可欠です。