越境ECの主なトラブルと対処方法
「越境EC」は、ECサイトを通して国を越えて商品を取引することを意味します。最近、日本でもECの利用者数の増加に伴い、越境ECが盛んに行われるようになってきました。
参入する際に気をつけたいのは、トラブルを未然に防ぐことです。企業を対象にした経済産業省の調査(※)では、越境ECにおける課題として、25%近くの企業が「商品の配送に係るリスク」を挙げました。
この記事では、国内配送と海外配送の違い、海外配送をする際に気を付けておきたいことについて解説します。
国内配送と海外配送の違い
・配送に時間がかかる
・関税手続きが必要になる
・配送商品の品質維持に注意が必要
・配送できないものがある
不十分な梱包
Eコマースで避けるべきもうひとつのミスは、不適切な梱包です。宅配用箱のサイズが大きすぎると耐久性の点からも好ましくないだけでなく、中に入っている商品を固定することができません。その結果、お客様にお届けした時に破損が起こってしまっていることがあります。当然ながら、受取人は小売業者に返品や交換など金銭的な解決策等を求めることになり、返品コストが増えます。
海外配送において気をつけるポイント
配送・梱包に関するクレームには、下記のようなものが挙げられます。
・送料無料と表記されていたのに、商品を購入したあとで関税を請求された。
・誕生日プレゼント用に注文していたのに配送が遅れ、誕生日に間に合わなかった。
・運送途中で破損した商品が届いた。
関税トラブル
送料無料と表記されていたのに、商品を購入したあとで関税を請求されたことを理由にクレームを入れることが多いです。関税知識がない消費者が、無料送料というキャッチコピーに惹かれ、購買に至る人もいます。そのため、必ず商品LP内に関税に関する内容を詳細に記載しなければなりません。
配送遅延
越境ECの場合、あらゆる問題が原因で想定時間より遅れる場合があります。特に、通関手続きに時間がどのくらいかかるか正確に予測できないので、大幅に遅れる場合があります。通関手続きがいつ完了するか、はっきり分からないので通関手続きに関するお問い合わせに対応することも難しいです。この場合、お客様を安心させるために、通関状況について頻繁に連絡することが重要です。
商品破損
商品破損越境ECの場合、国内配送に比べて郵送中に破損トラブルが起こりやすいです。
また、郵送中の破損トラブルでお悩みの方も多くいらっしゃると思います。
頑張って梱包して製品をユーザーに届けたのに、クレームが入ってしまった…
郵送中の製品がどんな状況で運ばれているかわからない...
などなど、悩みの種を挙げはじめたらきりがないでしょう。
配送中の破損トラブルは、販売者側で対応できないです。ただ、頑張って梱包して発送したのに、ネチネチと責められる場合もあります。破損クレームに適切に対応するためには、出荷前にエビデンスを残すことが重要です。また、特定商品の配送クレームが多い場合、その商品の梱包の仕方を変えることで解決できると思います。
外国為替市場で円安が続く中、越境EC市場に参入する企業が増えていますが、事業を展開する前に、様々な要素を考慮しなければなりません。異なる文化圏で事業を展開する上で、一番大事なのはリスクを回避することです。特に、配送や関税関連のトラブルは、大問題になりやすいです。事業を始める前に、簡単な貿易実務を身に付ける必要があります。